ファレッタを軍師として迎えたハイドフェルド王国軍は、
緒戦を勝利して勢いづくハノン辺境伯の武装蜂起に対して、行動を開始する。
決戦は夏のある晴れた日、ハノン伯爵はV字型に兵を展開し、王国軍を包むように進軍。
背後を川に阻まれ、囲まれた形となった王国軍ビューロー騎士隊*1は、
作戦通り一丸となって正面突破を試みる。
ここでビューロー騎士隊は戦わず、全力でハノン軍をすり抜ける。
ハノンの兵たちは目前の敵を失い、戦場の前方へ飛び出してしまった。
王国軍は両脇の森に巧妙に隠していた2つの別部隊*2で挟み撃ちを行い、
ハノン軍に壊滅的な打撃*3を与えた。
ハイドフェルド領内で行われたこの戦闘は、「ハノンの乱」と呼ばれており、
歴史的には軍師ファレッタの初陣として知られている。
軍事的な勝利を手にしたクレンペラー12世は、
ファレッタの能力を厚く信頼し、彼女の権限を大きくしていくことになる。
注釈
- ビューロー騎士隊の隊長ビューローは、剣よりも弓による遠隔射撃を得意としたが、時にはこの戦闘のように囮役を買ってでることもあった。軽装を好み、兵士たちにも重装備を推奨せず、行軍の速さでファレッタの作戦を遂行した。「ハノンの乱」当時、31歳。
- この別働部隊を指揮していたのは、ハーデンベルガー部隊とヴェネッサ・メイ部隊だった。二人ともファレッタの指揮下でよく戦い、現在でもビューローと並び数々の戯曲で取り扱われている有名人となったことは言うまでもない。
- 戦闘域の周囲は当時深い森であった。ここにファレッタは急造の投石器をいくつも設置させた。最初からおびき出しが狙いだったのである。ハーデンベルガーはカタパルトの製造に詳しい人材を抱えており、彼らの働きがなければ勝利はなかった。戦闘後、ハノン伯爵は捕らえられ、位を剥奪されたうえで、不毛な辺境地帯の開墾を命じられた。クーデターを実行した人物に対するものとしては寛大な処置ともいえるが、これはハノン伯への領民の人気が決して低くなかった為である。とはいえ、ハノンはその三年後、脱走して投獄されている。