帝都スーティルの本体は地下*1にあった。
地上に出ていた『街』はすべて張子であり、すべてはファレッタと王国軍を燃やし尽くすための罠であった
帝都が地下都市であることは、ハイドフェルドにあって常にヒュルケンベルグ皇国を密偵していた
ライムンド・ゼルによって隠されていた*2。
ゼルは二重スパイであった。
本当の彼の主人は、ヒュルケンベルグその人に他ならない。
ファレッタは信頼を寄せていた人物に裏切られた事を知る。
王国軍は燃え盛る帝都から脱出を試みるが、火の手は想像以上の勢いで兵士たちに襲い掛かった。
冬の乾燥した空気と砂漠の強い風が被害を広げたと見られる。
多くの兵士は脱出すらできず、炎の中に消えていった。
彼女を守るべき側近と逸れてしまったファレッタは、偶然発見した井戸の中に潜ってこの場をやり過す。
暗がりの中で、軍師就任後最悪の屈辱を味わった。
注釈
- 採掘場があったため、坑道が無数に延びており、それを利用して街にした。地表に出ている建物は無人で、最初から「だまし討ち」のためだけに作ったような街と言われている。奇才ヒュルケンベルグの面目躍如だ。
- ライムンド・ゼルと皇帝ヒュルケンベルグの関係はよくわかっていない。ただ、ヒュルケンベルグのだまし討ちは、ゼルがファレッタに誤った情報を流していなければ成立しなかった。皇帝はハイドフェルド王国軍の到来を予見していたことになる。また、この作戦の肝は嘘情報を流すゼルであり、それだけ重責が与えられていたため、彼らは生半可な結びつきではなかったのではないかと推測されている。